微粉の特徴を踏まえた当社の独自技術

微粉には、「流動性」「凝集体形成」「履歴依存性」「圧縮特性」の性質があります。一般的に利用されている微粉シミュレーションは「ファン・デル・ワールス力+粗視化技術」を用いたシミュレーションを行っておりますが、これらのシミュレーションは流動性に関する特性のみを取り扱うことができ、微粉の他の特性(凝集体形成、履歴依存性、圧縮特性)については対応できません。これは、微粉の凝集体形成や履歴依存性、圧密特性など、複雑な特性を正確に再現するための技術がまだ発展途上であるためです。

当社は、「微粉は本質的に圧密する特徴があり、圧密と同じメカニズムで、微粉の凝集が発生する」との仮説を立てております。この仮説に基づくと、微粉ハンドリングの方法により、凝集体のサイズ分布や強度分布が変化し、その結果、履歴依存が発生すると解釈することが可能です。この仮説の鍵になるのは、微粉の圧縮特性であり、微粉の圧縮特性が再現できるモデルができると、圧縮成形や微粉の問題点に対処できると考えております。

粉体シミュレーション技術への注目

日本の粉体産業は、薬品、食品、電子部品、自動車部品などの分野で国際的な競争力を保持しておりますが、熟練技術者の退職と人口減少による労働力不足に直面しています。そのため、品質を維持しながら国際競争力を保つためには、新世代の技術者がシミュレーション技術を駆使して、実験技術を活かした効率的な生産方法の開発が必要と考えられております。

現状、微粉体のシミュレーションは限られた範囲でしか対応できず、微粉体のシミュレーションに対し、粉体産業界は、微粉のハンドリング(貯蔵、混合、搬送、充填など)への対応、圧縮成形への対応、多品種少量生産に適応できる技術構築への対応、データサイエンスとの連携などの技術開発求めております。

当社が注力する電池業界のニーズ

当社が注力する電池業界では、電極材料や製造プロセスに粉体が大きく関わっており、次世代電池を支える粉体技術への需要が増加しております。電極材料の性能は、粉体の物理的特性に大きく依存しており、粒子の形状、サイズ、密度がエネルギー密度や充放電効率に影響を与えます。そのため、シミュレーション時に、これらのパラメータを最適化することで、電池性能を向上させることが可能です。

当社に相談されるお客様の課題

課題

粉体産業における顧客の課題は、実験に基づく従来の電池性能の向上手法と、それに伴う生産性の問題です。これらは高コストかつ時間を要する実験プロセスに依存しており、設計のリードタイムが長くなるという問題を抱えています。また、粉体材料の変更や新しい加工方法への適応、使用状況に応じた電池の性能劣化に対する対策が求められています。

解決策としての当社の取り組み

これらの課題に対する解決策として、当社はパラメータファイルと各種データを入力することでシミュレーションができるソルバーを提供しております。このソフトウェアは粉体材料の新規導入や加工条件の変更時に、迅速な条件決定を可能にします。さらに、充放電サイクルを繰り返すことで電池の構成粒子の移動や接触状態の変化が生じ、性能に影響を及ぼす問題に対しても、粒子の挙動や応力のメカニズム、粒子間の結合や破断状況を解析することで、長期にわたる性能劣化を防ぐ加工方法の検討が可能です。

加えて、GranuleFlowは粉体の圧密現象を詳細に解析し、粒度分布、粒子形状、粒子物性などの粒子物性を最適化することで、エネルギー密度が高く、充放電効率が優れた電池を開発する手助けをします。これらにより、短時間でより広範囲の粒子物性を検討し、電池性能の向上を図ることができます。

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